安全運行に関するヒストリー
平成元年(1989年)は、翌年に公布される「貨物自動車運送事業法」
の制定に向けた動きがあった時期です(同法は1990年に制定)。
この法律によって運行管理者制度が明確化され、輸送の安全確保がよ
り強く求められるようになりました。
また、同年に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善
基準告示)が発令され、労働時間の管理の重要性が増しました。

東部運送では、以前から「車両の安全な状態を保つことが、事故防止
につながる」という考えのもと、車両管理と整備の充実に取り組んで
きました。
平成元年頃には、車両やエンジンの状態を確認するための計測機器を
導入し、エンジンの回転数や速度、走行時間・距離などを測定・記録
していました。
測定したデータは、乗務員・車両管理として活用し、安全な運行の維
持に役立てていました。
当時の運行管理については、運行日報や点呼簿などを用いて行い、車両
管理と運行管理をそれぞれ適切に実施していました。
こうした取り組みを積み重ねながら、時代の変化に合わせて管理方法を
見直し、現在ではデジタル技術を活用した運行管理システムや安全装置
の導入など、より高いレベルの安全対策へと発展させています。
デジタルタコグラフによる運行管理の開始

その後、より実効性の高い安全対策として、デジタルタコグラフを活用
した運行管理を開始しました。
デジタルタコグラフでは、運転時間や走行速度、休憩状況などを正確に
記録することができ、日々の運行状況を客観的に把握することが可能に
なります。
記録されたデータは専用カードやパソコンで管理し、安全運転の確認や
指導、再発防止に活用してきました。
これにより、乗務員一人ひとりの運転を「見える化」し、無理のない運
行計画の作成や安全意識の向上につなげるなど、事故防止に向けた取り
組みを一段と強化しました。
東部運送では、こうした時代に合わせた管理手法の導入を重ねながら、
常に「安全第一」を基本に、運行管理体制の充実を図ってきました。
現在のデジタルタコグラフを活用した運行管理


現在は、デジタルタコグラフをさらに進化させ、より精度の高い運行管理
と安全管理を行っています。
運転時間や走行速度、休憩状況などの運行データは、SDカードを通じて
パソコンに取り込み、日々の運行状況を分かりやすく管理しています。
これにより、乗務員一人ひとりの運転状況を客観的に確認でき、安全運転
の指導や無理のない運行計画づくりに役立てています。
また、データを活用した振り返りや声かけを通じて、乗務員自身が安全運
転を意識する機会を増やし、事故防止と安全意識の向上につなげています。
東部運送では、時代とともに進化する技術を積極的に取り入れながら、こ
れまで培ってきた経験を大切にし、これからも「安全第一」の運行管理を
継続してまいります。
過去から現在まで積み重ねてきた安全への取り組みを礎に、これからも安
心・安全な輸送サービスの提供に努めてまいります。
点呼に関するヒストリー
IT点呼機器の導入による点呼体制の強化
東部運送では、運行管理と同様に、点呼方法についても安全性と確実性の
向上に取り組んできました。
夜間や早朝の時間帯においても、確実に点呼を行うため、IT点呼機器を自
社で開発し、新潟南営業所を拠点に運用を開始しました。
これにより、対面での点呼に加え、デジタル技術を活用した点呼が可能と
なり、時間帯に左右されることなく、安定した点呼体制を整えています。
乗務員の体調確認やアルコールチェック、運行内容の確認などを運行管理
者と乗務員がカメラ越しで確実に行うことで、点呼の抜けや記録漏れを防
止し、漏れのない点呼の実施につなげています。
対面点呼とデジタル管理の融合
その後、対面点呼の確実性をさらに高めるため、「見守り番人KOSUKEPlus」
を導入しました。
対面点呼時には、アルコールチェックに加え、血圧測定などの健康確認を実
施し、測定結果や毎日の血圧測定値をクラウド上で一元管理しています。
これにより、紙での記録に頼らず、点呼記録や健康データをデジタル化し、
管理の正確性と効率化を進めてきました。
日々の測定データを蓄積・活用することで、乗務員の体調変化にも気づきやす
くなり、早めの声かけにつなげるなど、健康面からの安全運行支援にも取り組
んでいます。
東部運送では、IT技術を活用しながら、点呼の「確実さ」と「見える化」を両
立させ、安心して働ける環境づくりと安全運行の確保を進めています。
さらに、長距離乗務員を対象に、遠隔地での点呼に対応するため、スマートフ
ォンとモバイルアルコール検知器を乗務員一人ひとりに支給しています。
遠隔地での点呼時には、専用のアプリケーションを使用して測定を行い、運転
者の測定結果はすべてクラウド上に自動記録されます。
これにより、場所を問わず確実な点呼の確認と記録管理を実現しています。
IT点呼から遠隔点呼への移行
次の段階では、IT点呼の運用をさらに発展させ、遠隔点呼へと移行しました。
遠隔点呼の導入により、営業所間の距離や時間帯に左右されることなく点呼を行
うことが可能となり、夜間・早朝を含めたすべての運行において、安定した点呼
体制を構築しています。
対面点呼と同様に、アルコールチェックや健康状態の確認、運行内容の確認を確
実に行い、その記録はデジタルデータとして一元管理しています。
これにより、点呼の記録漏れや確認不足を防ぎながら、業務の効率化と管理精度
の向上を両立し、より確実で持続可能な安全管理を実現しました。
自動点呼の開始によるさらなるデジタル化
現在は、遠隔点呼の取り組みをさらに発展させ、自動点呼を開始しました。
自動点呼では、アルコールチェックや健康状態の確認、点呼記録の作成までをシ
ステム上で行い、点呼結果はデジタルデータとして一元管理しています。
これにより、時間帯や運行形態に左右されることなく、安定して確実な点呼を実
施できる体制を整えました。
点呼業務のデジタル化が進んだことで、管理の正確性と効率性が向上し、運行管
理者による確認やフォローもしやすくなりました。
東部運送では、人による確認の大切さを保ちながら、IT技術を活用した点呼体制
を構築し、安全性のさらなる向上に取り組んでいます。
東部運送の安全への取り組みは、これからも時代とともに進化し続けていきます。



